本日も、ご優待に与る?(その1)

 

昨晩も帰り道に東南を見上げると、流れている雲の向こうに僅かに明るい月が現れて、程なく隠れた。

先日はこの街の上空が晴れ渡り、ぎりぎりの満月を見せてもらえた。昨晩は遠い(仰角の低い)空は晴れていたが、月が昇る上空は天幕のように雲が広がる…

低温の予報がでていたが、この雲のお蔭で放射冷却からは免れそうだ。それはそれで有難いこと…

 

帰りつく少し前から、また雨が降りだした…傘を広げて歩くと暖かい。やはり、かなり気温が下がっているようだった。

部屋に入って、やれやれと電気ポットで湯を沸かして暖まる。着替え終わってもまだ沸かない…急に、換気扇のフードに当たる雨音がカンカンと響いて、霰か氷雨に変わったようだった。

冬支度が間に合っていない…横になって動きを止めると、数分で指が冷たくなる。パジャマの袖口を引っ張って重ね、丸まった。

 

氷雨は少しの間だったが、雨はそのまま降り続けている。丸まったままで、ぼんやり考える…

この街にきた頃には、8月の初旬に数日まとまった雨が降り、秋になった。雨上がりの水溜まりに、連なった茜色のトンボが何組も、懸命に卵を産み落としていたが…そこでは孵る筈もない。