「こぼれ種」読み終わる

 
忘れないうちに、返却したかったので、今朝2回目を読み終えた。

読んでる間、というか一篇を読み終える度に、気持ちが和んだ。
安心(あんじん)が、身の内にゆっくりと満ちた気がする。


耳から小鳥たちの謳声を聴いて、数羽のコには本当に眼と鼻の先まで来て貰えた。

天候にはあまり恵まれなかったけど、
テコテコ歩きまわって、お菓子をつまんでお茶を飲み、一休みしながら、
このエッセイ集を読んで過ごした。(文庫本は凄いや)


何処へも遠出しなかったけど、オシドリの池の大学の構内も、
植物園も、土手のサクラ並木も、通りすがりのお宅のお庭も、街路樹も、歩道の花壇も、
目に映る総てが、素敵な春だった。

素晴らしいゴールデンウィークを過ごせたよ。どうもありがとう。



コブシ、ウメ、サクラ、レンギョウモクレン…沢山の樹の花を思う存分眺めて、
カタクリ、エンゴサク、いろんなスミレたち、キクザキイチゲ
ニリンソウキバナノアマナ、チューリップ、スノードロップエンレイソウヒトリシズカ…沢山の花たちに会えた。


忘れられない科白がある。
あの三谷幸喜さんの脚本なんだけど。
「今年の桜は観られたけど、来年の桜は…わからない」と…


天災の繰り返されるこの国。
そう、来年は…わからない。

だからこそ、また巡り会うことのできた、この美しい春を存分にたのしもう。

そして、別れ際にはこう言いたい。
「今年も会えて嬉しかったよ、どうもありがとう。
来年もきっとまた会おうね、約束だよ。」



本屋さんで検索してみたら、在庫はなく、S堂の検索結果では絶版になっていた。
そう言えば、借りた本には「寄贈」のスタンプが…
どなたが寄贈してくださったのだろうか。

図書室の本棚から、歩道を歩いてるわたしを呼んでくれた、
そう感じたのは、勘違いじゃなかったんだね。
この春を楽しむことができたよ、呼んでくれて、本当にありがとうね。