今夜は、とおかん夜…(その3)

 

先日ダブルレインボーを見ることができた理学部の建物の前で、エイヤッと振り返る。辻を曲がった時に沸き上がった期待以上の、大きな虹がかかっていた。

背景は濃いグレーの雲で、幅は広いが色彩はぼやけた状態の、巨大なアーチだった。当然なのだが、その狂いのない姿は美しい。

 

ただ、色彩が淡いだけあって、アーチは呆気なく掻き消えようとしていた。

リベンジ!(リトライ?)と爺ぃの頭の中で叫んだのは、爺ぃ自身だったのか、それともあの絶賛修行中の新人の龍さんか…

 

アーチの上の方は青空がのぞき、足に近い部分の背景がかなり淡いグレーに替わる。すると、まるでメインストリート側の理学部…博物館になっている…の北東の隅から七色の放水か?と思われる色濃い足が上に向かって伸びた。

続いて、陽射しが見る間に強さをまして、虹はまたクリスタルの透き通った輝きをみせる。

 

凄いなぁ、心の中で爺ぃは感嘆の言葉を呟く…あぁ、今日も虹を見せて貰え、有難いことだ…と。

そう言えば…とふと想像した。あの公園のお社がなくなってしまった、ベテランの龍さんが、鋭意後進の指導にあたっているのかなと。

はい!実習をやってご覧!と…