今夜は、とおかん夜…(その2)

 

一本、また一本…梯子が雲から伸びるのを、呆然と立ち竦んで眺める。弱々しい梯子だったが、僅かに輝きながら数を増していた。

が…その付近は庇の下に駐輪するようになっていて、慌てて二・三歩寄って再度見上げると…見事に梯子が消え失せていた。梯子が下りていた隙間は完全に閉じていて、再度呆然…

 

スーパーで本日の特売パンを1つ仕入れて、何となく足はオシドリ池の構内へ向かう。紅葉が遅めだったカエデの個体が、深紅に燃えている。ハゼノキの紅葉も、あと残りわずかだろう。

いつものトンネルの上のベンチで、パンを噛じっていたが、今日は人通りも少なく、ヒヨドリが高く啼くだけ。そのうち、傘の必要がない程度に、ほんの僅かな雨がおちてきた。

 

あぁ、たしか七十ニ候で、もう冬になって虹を見ることがなくなる…という時期になってくるかな、と荷物を背にメインストリートを南下…

今日はオシドリ池をぐるりと巡る気にもなれず、そのまま南下するか、農学部メインストリートを行くか…生協と博物館の辻に向かいつつ、思案…するまでもなかった。

 

こっちだよぉ!と今日も引っ張られる。今日も、西の空の太陽の部分の雲が切れてきた。