カラスに話しかけられた…?(その4)

 

カラスはいったんグイっと頭をさげたので、そのまま飛び立つかと思ったが、また歩きだしてそのまま戻ってこなかった。

まるで、道をたずねていた人が会釈をしてから、目的地に向かって歩き始めたようだった。

 

カラスと声ではない言葉を交わすというのも、奇想天外、摩訶不思議なことだったが、丁寧に会釈をして立ち去るなど、なんと紳士(または淑女)なのだろうか。

言葉だけではない、自分の脳裡から虚空に転写した風景を、カラスが眺めて理解(?)したと感じたのも、不思議だった。

そういえば書店で、スピリチュアルの棚に、三本脚のヤタガラスの表紙を見かけた気がする。

それにしても…北口のほぼ20年しての大リニューアルか…え?20年…まるで伊勢神宮遷宮と同じタイミングか?…

 

更に、それにしても…北口の花壇や樹木は、花だけではなく香りが素晴らしかった。ハマナスかタカネイバラの仲間の香り、そしてシナノキか西洋ボダイジュの香り…

けれど、鉄板で仕切られた向こうを隙間からみれば、ハマナスは移植ではなく除去されている様子。大きく枝を広げたシナノキも切り倒されそうだ。夏の一番いい時期の、素晴らしい香りの出迎えはない…