護られた…多分。

 

バスターミナルの面した通りとクロスする交差点、渡ろうとする横断歩道の信号が赤から青に。

変わってから渡る前に足を停めて、重い手提げを持ちかえたから、明らかに青になって更に一呼吸は経っている。

横断歩道の半ば少し手前で、携帯のバイブレータがけたたましく振動、驚いて立ち止まった。今日は休日でサイレントモードのはずだし、それにこの振動は 強 としか思えない。

その鼻先を急ブレーキで、横断歩道の幅の殆どを塞いで軽自動車が停まった。反射的に横断歩道の信号を見直すと、青。つまり、赤信号なのにそのまま交差点に侵入するつもりだったのか?

後ろに続く車もないのに、横断歩道を塞いだままで動く気配もなく、俯いて視線は固定、肩が動いてスマフォを操作してるのは明らか。

仕方なく大きく軽自動車を避けて渡るしかなく、フロントガラスから呆れてその女性に視線を投げると、あろうことか睨み付けてきた。

手間取って渡ったので間を置かずに信号が赤に。車道の信号も変わったのに、軽自動車は動かず女性の視線は俯いたまま。後ろから走ってきた車のクラクションで、やっと発進した。

振動の対応表示も、強の設定もない…護られたのかも…