スーパーのレジにて(その3)

 
結局、レジさんはサービスカウンタに、先客対応の応援を求めた。

待つ間に、手が届かないカードリーダーの読み取りはレジさんにお願いして、
レシートを受け取り、次の客の読み取りに籠が置けるよう、自分の籠を抱えて、脱出に備える。

なんせ、次の客はかなり殺気だってきた様子で、
実際、読み取りでも始まらないかぎり、責任のない自分にまで殺気が飛んできて、痛い。


サービスカウンタから跳んできたスタッフが、
買い上げ品をカートに載せ、かの白髪のご婦人を、狭い通路から誘導してくれて、
自分もやっと、やっとレジ通路から脱出できた。

時計を見ると、アイスコーヒーで一休みは、もうとても無理そうな時刻になっていた。


かのご婦人に、悪気がないのはわかる。
多分、頭の機能維持か訓練にと、レジで小銭を使って支払うようにしているのだろう。

だが、状況を全く無視しているのは、例え尊重すべき高齢者ではあっても、如何なものかと…

サービスカウンタを最初から利用し、手間取る部分はサポートを受けるとか、
会計時には読み取りが始まったら、財布を手元に持って、
小銭の状況を、把握し始められないだろうか。