自転車に後ろからぶつかられる…どこ見てはしってるの?
最初から変な感じはしてた。
軽く3mを越える歩道なので、自転車は走行可なんだけど。
背後に街灯が比較的低い位置に、間隔は離れて並んでいるので、
自転車がゆっくり近づいてきたのは影でわかった。
ただし無灯火。歩道に伸びる影のヨロヨロ加減が、とても人間の歩く様子ではなく、
油ぎれっぽいハンドルの音が、比較的離れた距離からもしてたから。
おかしいのは、最初わたしの左側に影が近いので、右側に大きく寄ったら、
自転車の影も追ってくる。
ひったくりか?と嫌な感じがしたので、今度は左側に避けた。
影はいったん私の右側にと伸びて、今度はフラフラと左側に寄ってくる。
3mの歩道だから、わたしにしてみればかなり大きく避けたことになる。
肩から提げてる袋には、タオルや雨具、本や文具が入ってるだけなので、(お、重い…)
万一ひったくられても大したことないけど…
あ、違う…ある…只今勉強中のGoのWeb開発の本…
書き込みいっぱいの付箋紙を沢山張り付けてあったわい。自分にとってはお値打ち大!
今度は左の端まで避けなかったので、影は私の左側に回り込んだ。
仕方がないので、再度右側にと避けた。
舌打ちしてから、呼吸にして3つぐらい間を置いて、自転車に背後からぶつかられた。
ぶつかったのは右のハンドルで、荷物は左肩にかけていたので、局所的な衝撃は免れたけど、前につんのめる程度のエナジーで。
ぎょっとしたわたしを追い越して、いったん止まった運転者の驚愕のリアクション。
「あははは、ごめんなさい、ごめんなさい、あはははは、あはは、ごめんなさい」
だって?明るい女性の声で笑いながら…全然詫びてない。
「どこ見てはしってるのよ!」
言わずにはいられないよね?
でも言わずとしれたこと、スマートフォンの画面を熱心にご覧になりながら、運転なさってたんでしょう。
「あははは、あはは、あはは、ごめんなさい、ごめんなさい」
彼女は笑い声を残して、走り去って行きましたよ。
あんまりのことに、呆然と立ち尽くす。
お嬢さん、今度は電柱に激突して流血の怪我しないよう、お気をつけ遊ばして。
わたしに追突した場所の1区画手前は警察署だからね。
無灯火+スマートフォンに見入って走ってきたんだね。
お巡りさんに見つかったらどうなるだろうね。
自転車も、走る凶器になりつつある。