銀河食堂の夜

地域の図書室で、短編集の文庫本を借りた。

閉室時間間際…

小一時間ばかりの隙間時間に、何か読みたかった。共有スペースの席を利用して、区切りよく読み終えた時点で、ドアの返却ポストに投函すればよいから…

ちょうど目の前に、さだまさしのこの本が、まるで「はい、お呼び?」と。

そういえば、これは読んでみたかった。時計の針のパターンを気にしながら、最初と最後の一篇を読んだ。

眼で読んでいるのに、さだまさしのあの声で朗読しているのを、ラジオドラマのように聴いていた。正確には、右目と左目が正しくクロスしていない状態なのに、読み進んでしまった。

今度は、落ち着いて全部読もう。返却ポストにそっと滑りこませると、はいよ!と返事が聴こえた気がする。