不思議なようで…不思議ではないことがある(その1)

 

発熱のことである。

勿論、全てのケースで当てはまる訳ではないが、発熱の主体は例えばウィルスではない。本人(の意思ではないにせよ…)がウィルスに対抗するために、発熱して戦闘体制に入るということだ。

従って、発熱することは決して全てが悪いことではない。勿論、40℃を超えればダメージは大きいし、42℃も超えれば、体のたんぱく質は茹で卵の如くに固まってしまい、生きることは不可能だ。

スペイン風邪では、平時は丈夫な人で高熱の末に亡くなったことも多かった、と。

平時に丈夫な人は、感染が軽いうちに 何だかダルいな、飯を喰ったら今日は早く寝ちまおう! という、自然免疫を賢く育てながら、傍目には病気ひとつしないように生活していたのではないだろうか…

身体は記憶を深めた。体温を上げれば、対抗できるのだ。結果、桁外れの感染と増殖のスペイン風邪も、この延長で対抗したためどんどん際限なく発熱し、力尽きて亡くなってしまった。

 

繰り返すが、度を越した発熱は抑える必要があるし、身体には辛い状態ではある。けれど、発熱は必要があって起きる…というか身体の必要な防衛手段であって、軽度のものまで無闇に抑えるのは愚かだ。