カラスに話しかけられた…?(その1)

 

先月の暑い昼のこと。JRのターミナル駅北口の駅舎北端、花壇の縁に腰掛けてパンをかじり終え、ちょっと目眩ものの空腹を黙らせた。これまた、目眩ものの暑い日だ。

今、北口では再開発に向けての建物以外の撤去が進行している。まぁ、再々開発というべきか…駅の拡張が決まっている。

かれこれ20年位前は、北口といったら本当にここがターミナル駅か?と疑うほどに寂れていた。今ではこの北口広場(?)を囲むように、主に高層オフィスビルが立ち並んでいる。

 

腰掛けている場所は、駅舎の北側に接する。広い東西の通路を挟んで花壇や水のオブジェ、交番や駐輪場があり、東側はバス乗場、西側はタクシー乗場…

その時は、水のオブジェが完全に撤去されていて、夏の夕べにはそこで涼むことも少なくなかったので、あぁ…と寂しさが溜め息になった。

 

と、目の前の通路を挟んだ花壇の手前を、カラスが何度もトボトボと、右から左、左から右と妙にオロオロ歩く。暑くて動作が鈍いので、本来なら右往左往か…

別に、子育て期の親カラスのように威嚇する訳でもないのに、立ち止まって人間を見上げるだけで、悲鳴をあげる女性が何人かいる。なんとも失礼な話だ。