風神さんと雷神さんが、奉納演奏とスーパーセッション?

 
今日、街にある神社で、こじんまりとした、お茶のフェスタがあった。

神社に近づくにつれて、曇り空から雨がポツポツ。
たどり着いた時には、傘を持ってないひとには辛いかな…という降りかたに。

だけど、急に降っただけあって、隅っこによって、
神さまにご挨拶してるうちにあがり、
サァッと晴れて、強い陽射しに変わった。もちろん、お礼を申し上げた。

やれやれ…と、まずは境内のテント会場をのぞいて、チャイを注文。
ちょうど作ってる最中だったので、近くのテントもふらふらのぞいてみる。
「蓮の実」にひかれて台湾茶のコーナーにいったけど、売り切れだった。残念でした。

そこに、先ほどのコーナーの方が、わざわざテントを出て、紙コップに満たしたチャイを持ってきてくれた。
わぁい、淹れたてだぁ、ありがたいことです。
「いただきます!」と受けとる。

露天にいくつかテーブルと椅子が並べてあるけど、先ほどの雨でびしょびしょで座れない。
会館の軒下に入って、フーフー、ズズズっ……んま!
一緒に買ったショートブレットをぽりぽり。こっちも、んま!

と、これを後になって反省。
テントのお店もあるので、なんとかお天気をもたせて下さい、
とお願いして、かなえていただいたのに…

せめてすぐに、紙コップの蓋をパリッと外して、
「龍さんありがとうございました。香りだけですが、チャイをどうぞ!」ってすればよかった。

もちろん、龍さんが怒っちゃうとは思えない。
きっと、襷に結んだ虹色のロープをほどいて、
「あ~、ここ屋外イベントを神社の境内でやってるから、
ちょっとよけてもらえますか~?」
って、雲たちを誘導してくれたんだとおもう。

龍さんは、そんなことで怒んないよ!
でも、「あ…チャイ…飲んでる…いいな~」って思ったよね。
だから、口をつける前に、香りだけでもすすめれば…と。
龍さん、ごめんなさい。(>_<)


会館の中の各コーナーでは、試飲ができたりするんだけど、
なんか今一つ、心惹かれるコーナーに巡りあわなかった。

紅茶のコーナーでは、丸いガラスポットで淹れてみせて、
ジャンピング(茶葉がポットの中を対流で踊ること)なんて、懐かしい単語が通りすがりに聴こえてきた。


会場はお湯を扱ってるせいもあって、蒸し暑かったので、窓が開けてあった。
拝殿のほうでパーカッションが聴こえてきた。

もう一度、館内を一巡りして、気になるリーフレットだけ集めて、帰ることに決めた。

開けた窓から、雨の音が聴こえるのに気がついた。
え?え?大降り?あわてて階段を降りて玄関で、うわぁ!
かなり激しいどしゃ降りと雷ゴロゴロ、テントが危ないほどの大風…

どうしたんだぁ?会館に入った時には、晴れてなかった?
雨がしぶいて、凄まじい。

ふと、演奏は聴こえなくなっていた。


「演奏が始まったら、こうよ。
ねぇ、なにかあったんじゃないの…?」
そんなこと言ってる人がいて、なんかせせら笑うような、ネガティブな響きの口調。
そういうことを神域で言うな!とムッとした。

だって、ちゃんと聴けなかったけど、
真っ直ぐな、湧きたつような、素敵な演奏だったよ!


雷鳴が轟いて、テント出店の人たちは、雨から商品を守ったり、
時々テントを大きく揺らす風に、さらわれないようにポールを全力で押さえたりで、
プチパニック状態に。

あんまり凄くって、わたしも思わず、ネガティブな思いが…
「まさか、このフェスタ、献茶しないで始めたりしてないよね」

でも、もう一度雷鳴が轟いたとき、あ~っ!っと気がついた。

神さまも、龍さんも、相手が神職ならいざ知らず、
一般人のそんな行いに怒ったりしないよね。
畏れ敬わないから、そんな目に遭わせるなんて、あり得ない。
神さまは、そんな低レベルじゃないもん!


雷鳴と凄い風に、空を見上げて心の中で、
「風神さんと雷神さんが、パーカッションと、
スーパーセッションしにきてくれたんだぁ!!」
そう思ったとたんに、雨はどんどん小降りになってきたの。


大降りになって、演奏は中断されたのか、予定通り演奏は終えたのか、
パーカッションをケースに入れて抱えたり、背負ったりして、雨のなかをかえっていきました。

「スーパーセッションしたんだね!凄いよ!」
そう言ったら変な人に思われそうで…
ただ、胸のうちで語りかけた。


やがて、青空がのぞいてきて、神社の鳥居をでました。

風神さんと雷神さん、
「や~、お前、久しぶりに、
今日は本当にノリノリだったな~」
「もう、太鼓の響きにじっとしてられなくなっちゃってさ、
思いっきり叩きまくって、いい汗かいたぜ~」
と、お風呂につかってるかも。