地下フロアのオープンスペースが、吹き抜けの新しいビル

この街の中心部には、旧くからあり改装を重ねた地下街(店舗が並んでいる)と、その後作られた交通の利便性目的の、広々とした地下通路がある。

この地下通路は、最初に完成した頃は地上のビルとの連絡路がまだ少なかった。トイレと地上歩道との連絡は完璧だったが、殆どトンネル状態が数年続いてた。

もっとも、充分広いので、定期的にワゴンショップが開かれたりしていて、それなりに楽しい。

ここにきて、通路両側のビルの建て替え完成が目白押しで、次々と地下通路と接続している。

もともと、接続部分はオープンスペースにするのが、暗黙のお約束のようだ。もっとも、そこが歩道下の地下通路なのか、ビルの土地かで違うのかもしれない。

そして、ごく最近完成した幾つかのビルは、ビル内にオープンスペースがあって、それが1階や2階まで吹き抜けになっている。

例え、主に北方向や他のビル方向にしかガラス張りでなくても、やはりホッとする解放感がある。

いわゆる照明の灯りより、スッキリ明るい。高い天井なども、淡色に仕上げられていて、その反射もあって地下にいることさえ忘れることがある。

そして、何より嬉しいのは、ゆっくり座ってFMをアナログラジオで聴けることだ。笑いたい奴等は嗤えばいい。けれど、デジタルで聴くより本当に音が円いのだから。

確かに、エッジが欠け落ちているといわれればそうかもしれない。

けれど、特に声はやさしく響く。NEWSに限らず、聞き取り易い。

まだ通信の課金が重かった昔々、建物の中や地下などにごく一部だったが、「ここのスペースでFMが聴けます」という場所があった。

恐らく、いったんアンテナで建物内に引き込んで、そこで再度飛ばしていたのではないか。

それはそれなりに、いい時代だった、と思う。

形は変わったが、また建物の中でもアナログラジオが、聴ける場所が増えた。

ありがたいことだ。