まるるんシンドローム?(続き)

 

確かに、ハクセキレイはあまり人間を気にしていない。あの、トトト…という速歩きに自信があるので、距離が近くても十分逃げられるらしい。

そこにいくと、スズメはホップするか翔ぶしかない、それなりに動作の溜めが必要なので、さっさと逃げると…

 

だが…決定的瞬間があった。ハクセキレイはそのまま更に距離を詰めて、靴の際の雪を啄んでから見上げた。

これは…一般歩行者には、多分しないだろう。ん?餌になりそうな何かを、爺ぃが踏んでいるのか?慌てて、つつかれた靴を後ろに退くと、何かを啄んで、また見上げる。

まるで 同情するなら、餌をくれ! とでも言っているようだった。

 

そう言えば、まるるんはオシドリのヒナに、サンダルの先をかじられたり、靴下を引っ張られたり…リスによじ登られたり、すぐ肩先の枝にやってきたリスと一緒に不思議な光景を見たり…まぁ、そういう奴だ。

 

ははは、まるるんシンドロームに感染したか?…とまた歩きだしたハクセキレイを見送って、爺ぃも歩きだした。その瞬間、昨夏に水場を求めて探しているカラスと、コミュニケーションしたことを思い出していた。

何だ…とっくに感染しているではないか。