ノイバラの香りが、雨に打たれて立ちのぼった。

 

昨晩の時点では、早朝から雨になるような予報だったが、意外にも9時過ぎ辺りまでは日射しもあって、気温も一旦それなりにあがったようだ。

 

夕立のような雷雨に遭遇する覚悟もして、丈夫な傘にした。昼に昔防風林だったらしい、遊歩道を通った時に短時間だが大粒の雨が落ちてきた。

 

ノイバラがいっぱいに咲いている場所があり、その僅かに薄紅がかった一重のシンプルな姿に、却って愛らしさを感じる。

思わず傘をさしたまま近づくと、マスクを通してさえ薫った。雨粒に叩かれて、香りが飛び出してきたのかも知れない…暫くその薫りを楽しんでいた。

耳を澄ますと羽音が聴こえる。マルハナバチやらミツバチが、雨の直撃をさけながら、蜜というより花粉を集めているのに気づいた。花の中で動きまわって、花粉を身体の毛(?)に絡めているようだ。

 

彼らの集めた花粉は、ビーポーレンと称され、人間がちゃっかり健康食品として横取りしている。特有の香りはあるが、アレルギー等にも有効性は確認されているとのことだった。

 

この街ではこれから先が、バラの美しい時期にあたる。花を次々に咲かせるもの、一時に咲くもの…秋には夫々に実をつける。