サンマの蒲焼きのお弁当、食べた。

 
缶詰めと違って、サンマがフワッとしてる。

以前は拍子木に切ったキュウリがついてたけど、
今は、薄切りので、この点物足りない。
もっとも、サンマの蒲焼きじゃ、そんなに切実にさっぱりさせる必要もないね。


もちろん、美味しかったよ。
超絶的な味の訳はないけど、いい意味で、普通に美味しい。
なんの過不足もなく、満足できた。


実はこれを食べるにあたって、ひとつ心に決めたことがある。
既に故人だが、その人に対する怨みつらみを、これを食べたらもうすっかり捨て去ろう、と。


その範疇の記憶を捨てたら、まぁ、ほとんど記憶も残るまい。
その人を思い出すことも、ほとんどなくなるはずだ。

記憶が甦るたびに、腹が立っているのだから、精神衛生上も良さそう。


なので、食べ始める時だけ、胸の中で声をかけた。
これ、一緒に食べよう。
食べ終えたら、私はあんたへの怨みつらみを忘れる。
これが最後だ。多分もう思い出すこともない。
怨みつらみも、もう遠い過去のことだからね。
薄情だけど、もうあんたのことは忘れる。


食べる途中で感情が揺れて、涙が落ちるか心配だったけど、
美味しいだけだった。