オンマニペメフム

 
この真言を聴くと、チベットの人たちが、
マニ車を片手で回しながら、唱えている光景を思い出すのではないでしょうか?

子供の頃、正直なところ、「念仏(といってもいいとおもう)ずっととなえてるのはいいけど、
ずっと片手でマニ車回してるのは、生産性がないなあ」などと思っていました。

あの中に、経文が入っていて、1回まわすとそれを読んだことになるんだそうです。
それも、子供心には、なんか納得いかなかったですね。
うらを返せば、まるるんは、まじめで融通がきかなかった(今もそういう傾向が・・・)から、そう思うんでしょう。


さて、この真言、観音様の真言です。
また、一説によれば、まるるんの好きな光明真言の省略形(?)だと言う人もいます。

オンで始まり、ウンで終わる。
マニは、シッタマニ(摩尼宝珠)をさし、ペメはパドマ(蓮の華)をさします。
私たちが拝観する機会のある観音様は、たいてい聖観音様で二臂なので、蓮の花だけお持ちですが、
四臂以上の観音様は、宝珠もお持ちです。

宝珠を必ず持ってらっしゃるのは、如意輪観音さま。
摩尼宝珠は、如意宝珠とも呼ばれています。

蓮の花の上に、如意宝珠が置かれているのが、観音様を象徴しているのだそうです。


厳しい気候の地方で、事情が許す限り真言を唱え続けるのは、
呼吸法としては、かなり理にかなっているように思います。
ゆっくり吸ってゆっくり吐くのが理想ですが、
強いてあげれば、ゆっくり吐くほうが重要だそうです。
信心深いということもありますが、真言を唱え続けるように伝えていくのは、
厳しい気候の中で、長命にすごすための方便かもしれません。

「方便」とは、仏が人々を正しい方向に導く手段をいいます。
けっして、「うそ」が「方便」でも、「方便」が「うそ」でもないのです。



ところで、宝珠といえば、お地蔵さんが持ってらっしゃいますね。
六波羅蜜寺で、水晶の宝珠を持つお地蔵さんに出会うまでは、
あれは、おにぎりで、地獄で飢えた人たちに与えてくれるんだと、
固く信じ込んでいた、食いしん坊のまるるんでした・・・