雨のなか、オシドリ池の大学を縦走(?)した…(その2)

 

蕾が赤みを強めて、全体がぼんやりと赤く見える。そこに明らかにパステル調の不透明な、文字通りの桜色がポンポンっと見える。

 

これがソメイヨシノなら開花宣言だが、この街で元気よく先に咲いてくれるのは、このヤマザクラだ。

豪華さというよりは、あどけなさや元気さや…それでいて、質素な中にも根元には気品があり、優雅さもある。

 

ゆっくりと近づいて、静かに見上げれば、やはり自然に笑みが溢れた。何と言うか、ぴたっと互いの周波数が合う。

まだ、僅かしか開花はしていなかったが、不思議にマスクの中にサクラの薫りを感じた。多分現実に多量に薫っているはずはない。

ただ、薫りというのも特定の周波数をもった波動だ。波動を感じようとしなければ、薫らないかもしれない。そして、チューニングが合っていれば、検出閾値に達しなくても薫るのだろう。

 

今日は爺ぃも、まるるんのように、サクラに依怙贔屓して貰えたのかも知れなかった。

ありがとう…見上げたままで胸の内で呟くと、サクラが照れくさそうに微笑んだ気がする。

 

まさに、ももたろうの奴が云うところの まるるんワールド に、今日は足を踏み入れてしまったようだな…