小金井 三光院の竹之御所風精進料理の本(その1)

 
今年になってから、新しく出版され、奥付が令和になってからつい最近、もう一冊でた。


戦前に遥々京都からいらした祖栄尼、
大きなグラビア雑誌版は、多分台所の近くを家宅捜索すれば、発見できるはず。

門跡尼寺の伝統ある竹之御所風の精進料理を、
多摩という野菜の土地柄も違う小金井で、可能な限りに再現された。


祖栄尼の弟子、香栄尼の豆料理の本は、多分本棚。

グリーンピースを宝石に見立てたり、確かひよこ豆でデザートを作ったり、
祖栄尼からの、伝統の竹之御所風精進料理を大切に守りつつ、
一方ではワールドワイドに通用する、新しい献立もあった。


香栄尼は、素晴らしく創意工夫の方らしく、
祖栄尼が献立につまった時、それは材料の調達が難しい時期もあったはずだが、

弟子の香栄が考えて、ふうっと言うてくれます。
では、それにいたしましょうと…

確かそんな一文を、祖栄尼の本で読んだ覚えがある。

小柄な祖栄尼がちんまりと椅子にかけ、
大柄な香栄尼がその脇にたつグラビアは、ほのぼのと微笑ましい。

一番美味しいのは白雪のご飯(大根おろし)、そう言い切る祖栄尼の、慎ましく寛な尼寺の日々。