ショーケンの訃報

 
平成のうちにと駆け込むように、訃報が続く。

デビューした時は、まだ少年だった。
タイガースがビージーズの曲を演奏していた頃、
テンプターズストーンズの曲を演奏していた。

ショーケンは、不良少年から不良青年に、そして不良中年へ、
演じていたのか、彼の本質だったのか…


テンプターズショーケン
太陽にほえろのマカロニ、
傷だらけの天使、前略おふくろ…で主演、と、昔のブラウン管に彼の姿をよく見かけた。

強烈な印象に残っているのは、確か大河の勝海舟の時だったか、
岡田以蔵を演じた時だ。

武市瑞山に心酔しきっている、無口な青年だ。
科白は少なく、表情も…
だが、テレビの前の私を惹き付けて止まない。

武市に命じられるまま、烈剣を振るい、人斬り以蔵と怖れられた。

捕縛されても、拷問に口をわらない。だが、以蔵の心酔は間違っていた。
裏切られたと気付いた時の狂気の叫び。ストップモーションで、甦る。

彼は自白したにも拘わらず、無宿人として処刑され、河原に晒し首に。
あの以蔵は、忘れない。


昭和を若さに委せ走り抜け、平成を丁寧に歩きぬいた。

ショーケン、ありがとう。