満天の星空だったよ…(まだ続き)

 
じぃちゃん、とっても美味しいねぇ、このミルク。
そう、子供のほうが声をかけてきた。

レジ袋を指差して、
同じのが入ってるから、おうちに帰ってから…飲みなさい…
と念を押しておく。


じゃあ、これから約束があるのでこれで失敬…と適当な口実をつけて、
一休みしてから帰ったほうがいい、保冷袋に保冷剤が入ってるから、ゆっくり帰っても大丈夫です、
そう言い置いて、急ぎ足でたち去った。


停電してからずっと、冷蔵室もまだ開閉していなかったので、
牛乳を取り出した時点でも、庫内のアルコール温度計は10℃を切っていた。


出かける装備なので、そのまま街を目指して歩いてみた。

信号は殆んどが消えている。
大きな交差点では、別電源なのか、点灯している箇所もあるが、
警官が指示灯とホイッスルで、テキパキと誘導している。
そうだ、曾ては交通整理も、お巡りさん(懐かしい響きだ)の重要な任務だった。

その何れでもない交差点では、互いに注意深く、譲り合って走っていた。


その更に前日の台風で、巨木が根からバタリと倒れていた。
特に、ポプラはあれ程高い樹なのに、根の張りは呆気ないほど弱々しい。