昨今の赤ちゃんから、奪われたもの…(プロローグ)

 
昼間に保育園のお散歩(?)とすれ違う事がある。
この光景は、考えてみたら精々ここ50年程のことだ。
保育士さんや補助の大人に付き添われて、園外に出る。

園の庭で遊ぶのとは、少し違う。


まだ、保育園や幼稚園が少なかった頃は、
同じ年の子供と日中同じところで過ごすようになるのは、
早くても幼稚園の年少さんのころ、精々三才位になってからだろう。

元々は、子供は遊ぶのが仕事、遊ぶのが仕事でなくなったら、
奉公に出されるか、家業を手伝うのが普通の庶民の子供だったから、
古くは歳の違う子供たちが集まって、一緒に遊ぶのが普通だった筈だ。

勿論、年齢や腕力にものをいわせての、無体な行為もなかった訳はないが、
それでも、同じ年だけで集まるよりは、多様性を体験しながら育ったろう。
偉そうだったかも知れないが、先輩から後輩へ、
しかし、確実に子供の視点で、どんな些細な事も、伝授された。

大人の先生が、教育するのではない。
見よう見まねで、沢山の事を覚えていけた。

子供の発達は、凄まじい。
前倒しの教育をすれば効率はいいが、
子供が、負担なく自然にする体験を、時間的に阻害していないか。