あぁ、そういえば…海うそ を読みながら次々と思い出したこと。(続き)

 
舟霊(ふなだま)さんのこと

遅島で宿を借りている(ほぼホームステイ状態…)ウネお婆さんが、
かつて海に潜る仲間の女性たちと、大切に使っていた小舟。
秋野はそれを貸してもらって、海から島の植生を観察する。

その時にウネさんから、舟には舟霊さんがいるので、
よく頼むように(=多分最低限、礼をもって挨拶をしてから乗る?)…と教えられる。

舟霊を船大工は仕上げにすると。
ということは、舟霊さんは一艘ごとのオリジナルということになる。

どんな小舟でも、それぞれに舟霊さんが一緒に海に出てくれる。
舟は物に非ず、舟霊さんは一緒に活動してくれる、大切な大切な仲間なのだ、とふと涙で文字が霞んだ。

ほんの2ページのシーンに、何だかほのぼのしてしまった。


その数行先で、私は一気に、別の世界に吹っ飛ぶことになる。
(梨木ワールドから…)

秋野は小舟を操って、段々と深さによって色の変わっていく、海へと漕ぎだす。
その広い水面の彼方…更に彼方にと思いをはせる…

ニライカナイ

秋野も、少し沖に流されるまで海を見つめ、想いに耽ってしまう。


が…、私は突然、側に雪の塊が落ちてきた位、硬直。