落花生の薄皮、みかんのスジ、りんごの皮、パンの耳…

 
子供のころ、母親に呆れられ、「お前は絶対におかしい」と断言されたもの。
まるで「頭がおかしい」とでも言わんばかりに、非難の口調だった。

人前でそんなものを口にしたら、私(=母親)が恥ずかしい!という。
目を吊り上げてたよ。


落花生は、薄皮がついてるやつのほうが好き。
今でも、バターピーナッツよりは、
薄皮つき(=せいぜい塩味までしかついてない)のほうが美味しいし、
殻つきのほうがもっと好き。


みかんの袋についてる白いスジ、全然気にならない。
生来の指先ぶきっちょさんのせいもあって、いわゆる「お掃除」してから、
袋から前歯でしごき出すという、母親のいう「お行儀がいい」食べ方が大嫌い。

皮をむいたら、一袋ずつさっさと食べるのが美味しい。
大人になったら、数袋まとめて食べてるよ。
小さいみかんは確実に袋が薄いから、SSサイズは大歓迎。
スジも、袋も含めた味が、みかんの味だと思ってる。


りんごは皮ごと食べるのが、美味しい。
だから、大きなりんごより、食べきりサイズのりんごの丸噛りが好き。
多分、金気(=かなけ)に当たった味がいやだったのかも知れない。


サンドイッチで、耳を切り落とされたのは、物足りない。
茶店でトーストを注文した人(その時の連れ)が、耳をちぎり離してた。
白くてふわふわなとこしか、食べない主義で、耳は固くて嫌いなんだって…

わたしは心中でラッキー!と呟き、残飯としてお店のゴミバケツにおさまるはずの耳を、
有無を言わさずに横取りして、きれいに平らげた。

そこのお店のトーストったら、妙に高かったので注文できなかったんだけど、
やはり、こだわりのパンらしくって、香ばしくて美味しい耳でありました。



今にしてジャッジすれば…、

落花生の薄皮には、健康茶程度には薬効があり、
みかんのスジや袋には、微量でも重要な栄養成分があり、
りんごに限らず、美味しさは皮のすぐ下に多くあり、
パンは、白いところよりも、耳のほうが消化がよいのだよ。


先天の直感を、馬鹿にしちゃいけないねぇ。