ココナッツクラッカーのこと。

 
カルディで、ココナッツクラッカーなるものを購入。

前から気になってはいたんだけど、
やっぱりキングアイランドのココナッツチップがプレーンな味で、
某えびせんみたいにやめられない、リピーター。

でも、同じメーカーので、二種類のパッケージがあるのに気がついた。
片方のパッケージは、小分けの10袋を透明なビニール袋にいれてある。
ラベルを貼るかわりに、片面印刷の紙が一枚はいってて、
そこに、こんな風に書いてあったの。(。のあとに改行しました)


ベトナム中部の原料を使用して作られたココナッツクラッカーはクアンナム省の特産品です。
70年以上前にテイ老人が生み出したレシピは親子3代にわたって受け継がれています。
商品名のタイビンとは泰平を意味し、戦争や混乱期を体験したテイ老人が、天下泰平を願って名付けました。
(後略…)



ベトナム戦争終結したけど、
南北を問わずベトナムの人たちが嘗めさせられた辛酸は、
私たちの想像を遥かに越えている。


テイじいちゃんは、
一緒にお茶を飲み、お菓子をつまんで、楽しく語らいあうことが、
もう叶わなくなってしまった人たちに、このお菓子を捧げたのだと思う。


「あぁ、長い戦さだったなぁ…また、あんたたちと、ゆっくり話がしたかったよ…なのによ…」

「なぁんにも、特別なものなんて使わなくてもさ…土地のもので作った菓子をつまんでさ…」
「みんなが笑顔になってくれるのが、何よりだよ…」

「あぁ、もう戦さなんて、真っ平御免だね。あんなことは、もう誰にも…
例えあの時は、敵と呼ばざるを得なかった奴らにだって、
二度と味わわせたくないよ…」
「そうさな…この菓子に願いを込めよう。タイビン…いい名だろう?どうだい?」
「この菓子でお茶を飲んだら、誰でも争いごとなんか、頭の中で考えられなくなるんだ…素敵だろう?」
「さぁ、一緒に食べてくれ、この土地の味を楽しんでくれ、ただし、レシピだけは特別さ!」

「そしてさ、生まれかわったら戦さのない世の中を楽しんでくれよ。なぁに遠慮なんかいらない…」
「あんたたちには、そういう権利があるんだよ。そして、あんなに望んだ平和な世の中を、一緒に作り上げる役割もな…」


わたしの脳裏で、テイじいちゃんが嬉しそうに、みんなにお茶を勧めています。


テイじいちゃんが望んだものは、
誰が勝つわけでも敗けるわけでもない、世の中です。
殺し殺されることのない、世の中です。

愚かしいというのは、成績が悪いことでもなく、気がまわらないことでもありません。

愚かしいというのは、対立する相手を抹殺するか、脅威を以て服従させる以外の、
選択肢を持てない、考えようともしないことです。


タイビン(泰平)という名の、ココナッツクラッカー、
食べさせてやりたい輩がいっぱいいます。

あ、でも、皆さんはテイじいちゃんのレシピのお菓子を、
ただ楽しんでください。
そして、笑顔になってくださいね!