薄暗がりで見たものは、ちょっとビックリ…

見ちゃいましたよ~
薄暗がりに浮かび上がった、白いイアフォンコードに巻き付く、長い髪の毛。

っていうか、勿論、本当に巻き付いてたわけではないんだけどね。

私の部屋は、灯りをつけなくても足探りしなくても歩ける程度には明るい。
何でかというと、隣の建物の廊下の灯りが斜めに射し込んでいて、
それが反射(壁紙が白いし)してる。

でも枕元は、そこからはなれてるから、隣の灯りは平気なんだけどね。

横になってイアフォンでラジオ聞きおわって、
起き上がったけど、めんどくさいから
灯り点けずに手にとったら、そんなふうに見えたんだよね。

さすがに一瞬「おわっ!」と思ったけど、イアフォンのコードだから、垂れ下がっている部分もあって、そこには巻き付いてない。
と、そこに気づく時点で、私って普通の奴ではないかも。
もっとビックリしても、いいはずだよね。

垂れ下がってる部分も、手元に掬い上げると、巻き付いて見える。
そのうち、目が慣れてくると、黒く見えてたのが、血色に見えてきた。

その時、気がつきましたよ。
これは、自分の目の中が原因だな、と。
試みに白い紙を持って、近づけてみたら、
はっきり見える30センチ前後の位置で、
薄暗がりのなかでは、網目のように赤い糸状のものがまんべんなく見える。

あ~、怪談に出てくる、
「髪の毛が巻き付いてる」っていうのは、こういうことなのかもね。
だったら、次々と手にするものに巻き付いてる、っていうのも合点がいくね。

ああ、こんな状態だもん、よく見えるわけないって。