読書三昧・・・押入れのちよ

 
実は、まるるんは今、お仕事がない。
音沙汰もない・・・ どうしようか・・・ とは思ってるんだけど、
今ひとつアクションもおこせない。


月曜日、FMで北山修を聴こうとして、早々とチューニングしたら、
ちょうど青春アドベンチャーが始まるところだった。
今週は、荻原浩の短編集「押入れのちよ」から、5編を1回完結でやっている。

この日は、「押入れのちよ」。
設定は違うけど、まるるんの好きな「家守綺譚」を思い起こさせる雰囲気も・・・


暇はあるので、早速買い込んだ。
新潮文庫の帯には、 発表!とり憑かれたいお化けNo.1 だって。

あらすじは、さくらさんを真似て Amazon より

内容(「BOOK」データベースより)
失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。


文庫本の解説者、東雅夫さんによれば、「幽霊物語」ならぬ「優霊物語」。
恐ろしさはない。ちよの悲しい生涯さえも、ちよ自体が理解していないせいもあってか、淡々と語られる。
そう、悲しいのではなくて、哀しいし、なんだか切ない。
ラジオから流れた、ちよのあまりに無邪気で明るい声が、心底、まるるんには切なかった。

ちよが死んだとき、それは、ほんの100年にもならない前だ。
同じころ生まれて、同じような境遇にあったら、自分がそうならなかったという確証はない。
彼女は、海を渡っていった、否、渡らされた「からゆき」さんだった。
同じような辛酸を舐めさせられた少女たちが、たくさんいた。

本の内容からは離れてしまうけれど、海を渡らなかっただけで、
同じような身の上の少女たちが、気が遠くなるほどの時間をさかのぼっても、数え切れないほどたくさんいる。
自ら選んだにしても悲壮な決意だろうし、ちよのように幼い少女たちには、自ら選ぶ権利さえ与えられなかった。
それは、過去の話ではすまされない。今も、この地球の上に存在する話なのだ。

人の愚かさは、いつまで続くんだろう。



ほかに、「杉浦日向子の食・道・楽」が文庫化されていたので、これもGet。
80年代、漫画を描いている彼女の写真があった。かわいらしい笑顔だ。

ただ、お酒のことを語ってる部分があるので、のまないまるるんには「そんなもんか~?」というところも。


これ以上は、お財布が許さないので、「Yomuyomu」は、梨木香歩の「家守綺譚」のところだけ立ち読み。
ムカデ封じのお札のおはなしでした~。