う〜む、感服つかまつったでござる…(その3)

 

せっかく傘とポンチョをトランクルームから調達したが、それきり極弱い雨がたまにおちてくる程度だった。

あの雨はオンスケジュールではあったが、二重虹を見せるためのサービス増量(!)だったのか?…という気がする。

 

26日の夜は霧が流れてきた。予定はあまり捌けなかったが、雨具の分重い荷物を背負って歩いていると、久し振りに空気が重い。

何となく視野がぼやけ、街灯の灯りが放射状に散乱していた(目の具合で)のが、珍しくぼんやりと暈をきてみえてきた…

ん?…四つ辻(交差点)に立つと、向こうから霧が押し寄せてくるのが見える。青信号に替わったのだが、霧に見とれてしまっていた。

 

子供の時に、夏の軽井沢…旧中仙道の熊野神社近く、碓氷峠の展望台で、あっという間に霧に埋め尽くされたことがある。

霧の濃さはそれよりははるかに軽いが、本当に遠くまで連なる信号の灯りが、此方に押し寄せるにつれて順番にみるみる霞む。

やがて、交差点で残りの三方向へと別れるのだが、次々と波のような濃淡で押し寄せ続け、呆然と立ち尽くして見送る。

音などしていない筈なのに、耳許で微かに ヒョウ、ヒルル… と鳴った気がしたのは気のせいか…