トランプ候補に見える、旧い形の白人主義(と敢えていいたい)
敢えて「旧い白人主義」と書いた。
自分たちだけ、即ちキリスト教だけが正しく、
他の宗教を信仰している奴らは間違っている。
価値の劣っている奴らに過ぎない。
だから侵略しても、何の問題もないし、
殺そうが、追い出そうが、略奪しようが、あぁ奴隷にしたって構わない。
それこそが、十字軍に端をはっした、「旧い白人主義」の人間が、
ほんの百年にも満たない前までの間にやってきたことだ。
ローマ法王が、過去の十字軍、その間違った考えを、
「間違っていた」と認めたのは、永い歴史のなか、つい最近のことだ。
もちろん、日本も明治維新後に西洋に追い付き追い越せと突っ走った時、
妙な優越主義を教育で植え付けられた「神国」主義のもと、
とんでもない間違いを犯した。
トランプ候補の発言は、このターゲットをキリスト教から「アメリカ」にすり替えた、
かつての「旧い白人主義」に聞こえる。
そして、「アメリカ」が至上であるためには、他国やその国民はどうなってもいい。
自分たちが安定した生活をえるためなら、
その障りとなるものは、ことごとく潰してしまえ。
自分たちのことだけを考えていれば、敷地に入ってくる見知らぬ奴らを、銃で撃ち殺すくらい当然の権利だと。
自分たちに危害を与えるものは、どんなに惨たらしい仕打ちを返してもかまわないと。
まるで、「目には目を、歯には歯を」を更に凌駕するような勢いで、聞くに堪えない。
片頬を打たれたら、反対の頬を差し出せと、
汝の隣人を愛せと、
それは、キリスト教徒の間だけの話なのか。
そして、このトランプ候補に熱狂する人間が増えていくとすれば、
それは、ヒットラーに熱狂したあの頃のドイツを連想する。
わたしの穿ち過ぎだろうか。