夢千代日記のテーマ曲
先日、ラジオから夢千代日記のテーマ曲が流れていた。
武満徹作品のうちのひとつだったようだ。
被爆した彼女には、何の罪もない。
白血病を抱えながら、身体の辛さ、心の辛さに耐え、
やはり被爆した母の残した置屋を、自らも芸者もつとめながら切り盛りしている。
何でこんなに、切ない出来事が彼女のまわりに起こるのだろう。
それでも、彼女はやさしさと、押し潰されそうな辛さにも折れない、確かな強さを持っている。
余部鉄橋を渡っていく、心細げな列車。
大きな波が打ち寄せる海岸。
かいがら節を奏で唄う菊奴、舞う夢千代と金魚。
温泉の風景…
ほんの短い曲の間に、たくさんのシーンが頭のなかを、次々と通りすぎた。
やっぱり、切ない。
目を開いた時に、耐えきれずに涙がこぼれ落ちた。