「猫之妙術」

 
先月の中旬に、例によって本屋さんをウロウロとしていたら、
甲野善紀の「剣の精神誌」が増補改訂で文庫化されて出ていた。

文庫の癖に1500円もする~。ま、ちくま学芸文庫では、しかたないね~。
それに、何か呼ばれてる気がする。
別にまるるんが剣道をするわけじゃないし、武術史を知ろうというわけでもないけど、
この前の、BRUTUSじゃないけど、開く前に惹かれるものがあったのですよ~。

で、この半月かけて、ゆるゆると読んでおりました。

そしたら、タイトルの「猫之妙術」がこの中に引用されてたのです。
江戸時代に書かれたもので、ネズミ捕りの達人猫のお話なの。

とある剣術道場にとんでもない悪ねずみが住み着いて、
飼われてた猫じゃ歯が立たない。道場主が退治しようとしても、翻弄されるばかり。
そこで、ご近所のネズミ捕りの得意な猫3匹を借りてくるんだけど、
それぞれ頑張っても、やっぱりだめ・・・

ここで、真打の達人猫を借りてくるんだけど、見るからにボーっとした感じ。
でも、ネズミを難なく退治しちゃうんだよね~。

そこで、ヒーローを交えて座談会が開かれるのであります!

ここのところは、検索してみたら次の2つを読んでいただくのが適当かと・・・

http://www.uranus.dti.ne.jp/~hyamada/echigo/neko.htm (ほぼ原文)

http://reijifur.main.jp/neko.html (口語訳)

それぞれ、自分なりの修行をかさねた3匹にアドバイスをする、達人猫なのでしたが、
これを影で聴いていた道場主は、礼をつくして、達人猫に教えを請います。
(べつに、ネズミ捕りのテクニックではないですよ~~)


以下、「剣の精神誌」の口語訳を、まるるんが、これは!と感じた部分だけ抜書きしますね。

 ・・・(前略)・・・
 「教える」ということは、弟子が本来持っていながら自覚できないものを、自覚できるように導くことであり、
 別に師匠が持っているものを授けるわけではない。
 言葉で教えるということは簡単であり、それをただ頭で理解するだけなら難しくないが、
 自分に本来備わっているものを発見して、わがものとすることは難しいものだ。
 ・・・(後略)・・・