うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる

 
おばあちゃんと思しき人が、幼稚園児くらいの孫に、唄を教えていた。

♪ うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる、十五夜お月さん見て跳ねる

って、その女の子の手を、掌の上でポンポンと跳ねさせながら。


まるるんは、その光景をなんだか嬉しいような、うらやましいような気持ちで見ていたの。
私が生まれた時には、父方も母方も祖母はすでに亡くなってたから、
自分のおばあさんの記憶ってないんだ。


そしたら、その女の子のお母さんが、お出かけの仕度をして、お稽古バッグ(?)を抱えて現れるやいなや、

「おばあちゃん、変なうたを教えないでください!」って、怒ってる。

おばあちゃんと女の子は、お母さんの剣幕にビックリ。ついでに、まるるんもビックリ!!!

「いまから英語教室にいくっていうのに」
「そんな変なうたを憶えるひまがあったら、英語を憶えてもらわなくちゃ」

え~? どこが変な唄なの??

第一、子供の記憶力は結構凄いから、お唄を憶えたって、英語も憶えられるよね?

それに、英語が話せないとほんとに困るのかなあ?

それより、日本人として、日本語の語彙が多いほうが良くないかなあ。

歌詞だけだと、なんだか意味なさそうな唄だけど、
うさぎさんが月夜に、浮かれて跳ねてるのを想像できるのって、精神的に豊かだと思う。
事実であるかは、べつにしてもね。

俳句みたいに、行間というか、言葉にあらわさない部分まで想像して受け取れるようになるのって、
せっかく日本に生まれてきて、育ってきているんだから、まず母国語でって思うのは、
インターナショナルじゃなさ過ぎるかなあ・・・


最近、また言霊に興味があって、本を読んだりしてたとこなので、
なおさら強く感じてしまってるのかもしれない。