枇杷を食べました

 
スーパーの青果のご奉仕品の棚に、値引き札が2重に張られてる枇杷のパック。

小さい実が8つで350円。きっと700円位してるんだよなあ。たべたあああい。
と、かなり高いご奉仕品ですが、今食べなきゃ、また一年は生のが食べられないんだから… と
プリンと、グレープフルーツをあきらめて、店内かごの中へ…

枇杷って、味というより、香りを食べるもののような気がする。



そういえば、夢窓国師「夢中問答」で、清水寺におまいりしている老尼僧の話に、枇杷が出てきます。

年老いた尼僧が、観音様に熱心にお祈りしてる。
何をお願いしているんですかと訊ねたところ…


中比一(なかごろひとり)の老尼公ありき。清水に詣ふでねんごろに礼拝をいたして、願はくは大悲観世音、尼が心にいとはしき物を早く失ふてたび候へ、とくりかへし申しけり。傍に聞く人これをあやしみて、何事を祈り申し給うぞと問ひければ、尼がわかかりし時より枇杷をこのみ侍るに、あまりにさねのおほきことのいたはしく覚ゆる程に、年ごとに五月の比はこれへ参りて、比の枇杷のさねをうしなふてたび候へと申せ共、いまだしるしもなしと答へけり。たれだれも枇杷を食する時は、さねのうるさき事はあれ共、観音に祈りもうすまでの事にはあらずとて、おかしくはかなき事に語り伝へり。


確かにタネは大きいですよね。
でも、観音様困ったでしょうね。そんなことお願いされても。