春への期待が…萎んだ

 
今住んでいる場所の斜め向かいのおうちが、解体された。

ご夫婦はかなりご高齢になられているはずだから、仕方ないか…

木造の建物は、重機に易々とかじられ、噛み砕かれてしまった。


L字型の建物は南西に庭を抱えていて、ツツジシャクナゲハマナスが道に面して、
毎年玄関を出る度に目に飛び込んできて、とても楽しませていただいてきた。

北側の歩道に面した場所にも、ハマナスが慎ましくならんでいて、
車道側の歩道の植物桝(?)も、いつも奥様がお手入れされて、
春から晩秋まで、沢山の花に逢うことができた。

朝に、チラッと眺めるだけでも嬉しかった。

とても大きな気持ちの上での贅沢を、奥様の誰と相手を特定しないご好意で、
長い間させていただいてきたのだと、今更ながらに気がついた。有り難うございます。


昨日、ターミナルに向かう道すがら、なくなってしまった樹木を抱えた庭や、
多年草がメインの花壇が沢山あったのを、
ここにあった、あそこにもあったっけ…と思い出す。



今年の春、慣れ親しんだあのお庭はもうない。
ツツジも、シャクナゲも、ハマナスも…会えないのだ。寂しいかぎりである。