梅原猛の追悼コーナー

 
先日、大きな本屋の図書館の分類でいう、01:総記のフロアを歩いていたら、
柿本人麻呂像の表紙の文庫本が目にとまった。
足をとめて眺めてみれば、梅原猛の追悼コーナーができていた。



手に取りやすいようにとの配慮からか、文庫化されたものが殆んどだ。
いやいや、古い出版のものは、そもそも単行本などとっくに絶版だろう。

やはり、隠された十字架 を手にとってみる。
救世観音像の迫力のある眼差しと、書き出しの数ページに目を滑らせた。

その迫力は、熱い口調は、激しいままに記憶に残っていて、
とても忘れられるものではない。
いや梅原氏自身、人生後半には読み返して、
その凄まじい情熱を、少し気恥ずかしく思ったかも知れない。


新しい資料や、その後の新しい展開から、現在では頷けない記述が皆無な訳ではないが、
それでも、その熱い論調には引き込まれずにはいられない。


先日もチラリと書いたが、是非とも若い人たちに読んで欲しいと思う。
今となっては、書いてあること全てが真実とは言えないが、
その展開にかけた氏の情熱を、どうか読み取って欲しい。

この街は日中も氷点下。朝は氷点下二桁だった。