陽はまた昇り、陽はまた延びる

 
本日は冬至
これから僅かずつだが、陽が延びていくな。

何でこんなに面倒くさいことを、宇宙はしてるんだぁ?と、
子供の頃は不思議に思ったもんだがね。


そうしたら、ある日の午後、知らないお姉さん同士が、
セーラー服に学生鞄を僅かに揺らしながら、
ゆっくり、楽しそうに話しながら通りすぎていったよ。

― あらぁ、だから楽しいんじゃない?
― おばぁちゃんは、季節が替わるたんびに、単にしたり二重にしたり…あれを仕舞ったり、これを出したり…面倒な手間ばっかりで、嫌だって言ってるよ

― それがなくなったら、楽だってこと?
― うん…
― でもさ~、それじゃ詰まんないと思わない?
― どうして?
― 季節が一巡りして、桜は咲くんだし、燕が翔んでくるんだよね?
― あ、そうか…、桜が咲くには一年っていう時間だけじゃなくて、陽が長くて暑かったり、陽が短くって寒かったりが必要なんだね。
― うん、一年中燕がいたら、雀や烏と一緒じゃん。
― そうだね~

あははは…と明るい笑い声を残して、お姉さんたちは辻を曲がっていった。

まだ、ほんの子供だったが、しっかり理解できたな。
宇宙からの回答か?