「~させていただきます」ではなくて、「いたします」で十分。
火急の時に、「~させていただきます」と聞くと、いちいち腹がたつ。
元々は、身分の低い立場のものが使っていた言葉だと思う。
商人(あきんど、士農工商の範囲の底辺)や、歌舞伎役者(河原乞食ともよばれた)が、
へり下って使ったのではなかったか。
別に、へり下ることが必要なシーンでもないのに、
ましてや、へり下るという気持ちなど、さらさらないのに、
それを繰り返し聞かされると、いい加減腹がたってくる。
テキパキ歯切れよく話す必要がある時は、「~いたします」で十分。
むしろハキハキして心地よい。
そして簡潔になった分、一呼吸の間をおいて話すことで、聞く側もとても聞き取りやすい。
同様に「~してございます」も、緊急度の高い時には聞きたくない。
「~しております」「~してあります」「~になります」
いっそのこと「~です」でもいい。
確かまだ、萩原流行さんが若手で活躍していた頃の時代劇の録画で、
殿様からの下知を受け、一言「承知!」と軽く頭を下げて、サッと戦場に戻って行くシーンがあった。
萩原さんの演ずる武士の頭の回転の良さと、若くてきびきびとした動作が、とても好演だった。