透る声。

 

マスクが日常化して、改めて気がついたことがある。大声と透る声は違う。

 

腹の底から出すという大声は、けれど厚いマスクだと隠ってしまい、判別しにくく酷くうるさい。

場合によっては、何か喚き散らしているようにさえ聴こえる。

 

透る声は静かなのに、明るく真っ直ぐで、厚いマスクでも減衰することが少ない。

かつ不思議なことに、届かせたい相手の位置(距離)にピタリと合わせたごとくに、明確に届く。

 

これからは、よく透る声で話せるかが問われるかもしれない。子供や少女、日々声の修練を積む人に多い。