オシドリ池の大学の学祭(その3)

 
ほぅ…っと溜め息と一緒に、あぁ、美味しいな、
こんなチャイが飲めて嬉しいな…と胸の内で呟いたら、
何故だか突然に、涙が滲んできた。

え?え?どうしよう…
ストリートのど真ん中で、チャイを啜りながら涙ぐんでるなんて、
凄く変な奴だと思われるじゃんね。


とりあえず涙を堪えつつ、南端のブル研の、テントステージにと向かう。


涙の訳の1つは、やっぱり微かな甘さで、
♪おっぱい飲んで、寝んねして…の平和な赤ん坊の時の、記憶が甦ったのかも知れない。

それから、紅茶研究家の磯淵猛さんのエッセイ。
大学の時に知り合った、スリランカからの留学生との、
学生時代や、その後にスリランカを訪問した時の、感動的なエピソードも思い出した。

そして、敗戦後の日本の分割統治の話し合いに、
恐らく、舌舐めずりして参加した国もあった時に、
報復合戦は愚かなことだ、と演説したジャヤワルデネさん。

勿論、当時のセイロンと呼ばれた国の人々全てが、そう考えていたとは思えない。

しかし、報復では埒があかないのだと、異なる宗教の人々にも反論の余地のない演説が、
ここまで日本を復興させ、発展させてくれた。