神社でジモティなキツネに遭遇

先日の夕方(陽はかなり傾いていた)、夏のクラシックフェスの会場のホールがある公園の南端にある神社に、何やら呼ばれるように足が向いた。

幹線道路に面した、安芸の宮島の鳥居に似ている赤い鳥居を潜るのだが、公園の中を通っていくと、神様が鎮まって居られる一番奥の高い建物の裏手にいける。

少し離れた場所になるが、調度真裏にあたる位置にベンチが配置された丸いスペースがある。

樹木で幾重にか覆われていて柵も廻らされて、直接見えてはいない。神様に近い場所だとは、ほとんどの人は感じていないようだ。

そのベンチで少し休んで、さて鳥居に向かおうとしたが、何やら神様の近くに行きたい気持ちになった。

いつもなら、公園の歩道に戻っているのを、何故かそのまま神社の裏手の柵に近寄った。と、一番高い建物を支えている北の柱の処に…ジモティなキツネがあの長い尻尾を伸ばして、静静と歩いている。

お互い目が合って、え?…となる。柵があるので、先方は焦りはしないが、何やら興味津々の眼差しで此方を眺めながら、南の柱まで歩いて一旦拝殿方向に行った。

が、またひょいと振り向いて戻ってきて、まじまじと此方を眺める。どちらが見物しているのかわからないなぁ、と吹き出す。

住まいは神社で、狩場(食料調達)は緑豊かな夜の公園か。なかなか快適かもしれないなぁ、と感心した。

表の鳥居を潜ってご挨拶を済ませ、ふともう一度ぐるりとまわって裏手に行ってみる。

拝殿の石組を降りて、普通の犬のように丸まって砂利の上に踞って、また来たの?と此方を眺めてくる。

此方も、あぁまだいてくれたんだね?と手を振ってしまった。まぁね、と大きな欠伸をしてから、前肢の上に顎をのせる。

また来るね!とバイバイ…