今日の巡り合わせは…(更に続き)

 

先ず、自分が今のところ出来ることをやるんだ、と少年は気づいた。全くできない事ややったことのない事をすぐにやれとは、そんな無体なことは誰も要求したりしていない。

やがて少年の両親に笑顔が戻り、心底望んでいた本当の幸福(それは決して、単なる裕福さを指すものではない)が訪れた。

それは、スケールを広げれば、清潔な飲料水が当たり前に得られ、豊かな大地にたわわな実りを得ることで、病に苦しむ人が減ることを目指した、中村氏の努力とたがうものではないだろう。

 

中村氏に嬉しい報告をしにいった少年と、中村氏は一緒に喜ぶ。

そして、少年にやってご覧…と勧めた話の一部は、比喩と方便(という表現はしていないが)だから、その通りにならなくても構わないのだと。

自分で考え行動し遂行した少年を、心底嬉しそうに中村氏が称える光景が浮かぶ。

 

絵本が手元にないので、爺ぃの思い違いもあるかもしれない。ただ、病に苦しむ人を減らし、心の荒み軽くし、憔悴した表情を笑顔にしたいという、中村氏の大発願を氏自身が行動して、叶えているのだ。

 

今、自分が出来ることをまずやり、出来たら次のレベルを目指そう、と。爺ぃは頷いた。