今日の巡り合わせは…(続き)

 

マスクの下でそのサビを唄って歩いていると、ふとWebのNEWSで見かけた、中村哲氏の襲撃事件の記事が浮かぶ。誘拐するのが本来の目的だった、という供述がまるでゴーグルに映し出されたように、爺ぃの視野に重なった。

 

あっ…と、脇に寄って立ち止まる。犯人側に、あらゆる有利な条件をもたらす人質に使うとすれば、納得できる襲撃だ。

 

けれど、次の瞬間に夏の青空をスクリーンにして浮かんだのは、中村氏とかかわりをもった、一人の少年を描いた、一冊の絵本だ。

貧しい生活とその悪循環で少年の両親からは笑顔が消え、兄弟喧嘩ばかりしている少年たち…

少年がどうしたらいいのかな、とアドバイスを受けにいく中村氏は、重機を操って水路を開き開墾をすすめる先陣をきっている。

もちろん、医師である中村氏ではあるが、清潔な水を得、豊かな実りをもたらす緑の大地にする事が、病人を診て手当てをする以上に重要と判断した。自ら指揮を執り、また重機を使って開墾の行動をやってみせる。

 

ネタバレになってしまうので、詳細は省略するが、中村氏は少年に比喩と方便を用いて(いると思う)、自ら解決の道筋を見つけるように導く…やってご覧、と。