久しぶりに虹を見せて貰った。(更に続き)

 

風は高さによって様々の方向に強く吹いているらしい…と、雲の動きでわかる。ただ、銀色の雲は殆ど動かない。仰角は低いが遠くにあるようだ。

高さによって、雲の色も違った。目を引くのは夕焼色の濃いオレンジ色の大きな雲、北西の風に押されてぐんぐんと形を変えながら近づいてくる。低い雲らしく、その迫力に立ち尽くす。

もうひとつは、オレンジシャーベット色…黄色が強い。かなりのスピードで、龍が立ち上がった形で南に流れ、急に捻れたかと思うと、スーっと消えた。

雲の周囲が曖昧でほつれたような部分に、僅かに彩雲のように色づいている雲が、仰角の高い位置に沢山あった。

 

このまま見ていたかったが…何せビルの間に広々と見えるのは、これが最初で最後だろうから…しかし、駅に向かわなければならない。

強い風にのり、巨大な雲…積雲か…が押し寄せてきたが、太陽は更に低い位置から射している。やがて、縁が彩られた雲からは、上方向に天使の梯子が伸びはじめる…

西から北西の空は、まるで大学の学祭のように賑やかに、姿を変えつつ流れる。が…かの銀色の雲(?)だけは、小さくちぎれたアルミホイルのよう、微動だにしなかった。まさか…