カップスのベーシスト

 

ゴールデンカップスの、ルイズルイス加部の訃報。ドラムスのマモルマヌーの訃報も、つい先日だ。

タイガースの岸部シローも含めて、まるで渡り鳥が時期をみはからったように、次々と旅立っていく。

 

ベースを操る彼は、細身の長身でエキゾチックな印象で、本当に格好よかった。あの頃まだ小学生だった爺ぃの目にも、彼の演奏する姿は 奏でる のではなく、操る ように見えた。

いや、逆かも知れない。演奏の場に降臨した何かに、まるで突き動かされるように、エレキベースを操らされたか。彼のベースは獣のように、その時彼の腕の中で暴れていた。

 

そうじてGSのベーシストは、寡黙で恥ずかしがりやな印象だ。爺ぃの記憶に残る彼は、少年から青年に向かう、まだ淡い緑の果実でもあった気がする。

 

訃報が続く…

帰天するでも、彼岸に渡るでも…才能のある人々には肉体の衣を捨て、身軽になり何らかの役目を果たすべく、我々のいるこの場所から呼び戻されている気がする。

足枷となる心身を病んだ身体は捨て、もう一元高い役目を果たすよう、言いつかったのではと…

寂しくはあり、身内ならば辛かろう。それでも彼らの飛翔を、嘆くべきではない。