今日もやっぱり、いろいろと呼んでもらった…(その3)

 

親子は特におめかししている訳でもなく、むしろ質素な感じの普段着姿。白っぽい夏服が清々しくて、とても好感が持てた。そして、朱印帳をおさめた揃いの袋が優しい色だった。

 

もしかしたら、交通機関の一日券を使って、他の花手水の神社仏閣にもお詣りしてご朱印をいただく、市内の楽しい小さな旅なのかもしれない。

それから帰り際には、いつものスーパーでお買い物。ねぇお母さん、スイカ食べたぁい、と嬉しそうな顔の女の子…微笑みかえす母親…

妄想はそこまで柔らかに膨らんで、静かにフェードアウトした。

 

鳥居で向き直り、拝殿に向かってペコリ。あ〜ちゃんとう〜ちゃんが、ニッカ〜っと笑って またおいでね〜 と、ソフトクリーム尻尾を立てて見送ってくれる。心の中で、(^_^)v…を返す。(だって、世間の目が…)

 

私にはなかった過去。大多数の他の人たちには、当たり前にあったけど、たまたま私にはなかった色々な過去。そんなものだと、子供の時に既に諦めていた。

悲しくはないし、憤ることもない。むしろ私と母親の間には多分似つかわしくないから、最初から経験しなかったのだと、子供心に納得していた。傷つきようもないではないか。